※株式会社ハンファ発信の海外プレスリリースより参考情報としてお知らせ配信しています。
ハンファシステムズは、同社の社内ベンチャーであるFlexell Spaceが、タンデム太陽電池を使用した次世代宇宙用太陽電池モジュールの開発で協力するため、Airbus Defence and Space GmbH社と意向表明書(LOI)を締結したと発表しました。
この合意により、Flexell SpaceとAirbusは、既存のモデルよりも50%以上軽量でありながら、同等の性能と効率を維持する宇宙太陽電池モジュールを設計・開発する予定です。
ハンファシステムズの上級研究員でありFlexell SpaceのCEOであるTae hun Ahn氏は、「宇宙衛星製造市場のリーダーであるAirbusと協業できることを非常に楽しみにしています。今回の協業を通じて、世界初の新素材太陽電池の宇宙での性能を認証し、グローバルな宇宙太陽電池市場で独自の地位を確立することを目指します」と述べています。
Airbus Defence and Space GmbHのソーラーアレイ販売マネージャー、Michael Mittnacht氏は、「Flexell Spaceとともに、宇宙環境に適した高効率太陽電池モジュールを開発できることを非常に嬉しく思います。両社の強みを活かし、宇宙太陽電池技術を革新していきます」と述べました。
Flexell Space社のタンデム型太陽電池※1は、 CIGS※2とペロブスカイト※3の材料を組み合わせたもので、従来品に比べて軽量で高出力、低コストを実現しています。
従来の太陽電池が太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率は20~30%程度であるのに対し、Flexell Space社が開発したタンデム型太陽電池は、高効率、低コスト、短期間での生産、柔軟性を備えた革新的な差別化された太陽電池を創出することが期待されます。
また、このセルは折り曲げることができるため、必要な出力に応じて巻いたり広げたりすることができ、狭い部分や曲面などさまざまな衛星表面にも適応できます。この技術は、衛星・宇宙船産業の発展の原動力として高く評価されています。
- ※1 タンデム太陽電池:2つの太陽電池を重ねて、異なる波長の太陽光を相補的に吸収し、効率を高めた次世代太陽電池
- ※2 CIGS:銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)の4元素の化合物から作られた光吸収層を使用した薄膜太陽電池。製造コストが低く、軽量・薄型で光吸収性に優れているのが特徴
- ※3 ペロブスカイト:チタン酸カルシウム(CaTiO 3)などのABX3結晶構造を持つペロブスカイト材料でつくられた光吸収層を使用した太陽電池。溶液プロセスにより安価かつ容易に大量生産でき、現在のシリコンセルに代わる宇宙でも使用可能な次世代太陽電池として注目されています。
一方、民間主導のニュースペース時代の到来により、衛星製造市場は衛星に留まらず、宇宙探査、高高度疑似衛星、宇宙太陽光発電などへと拡大しています。多様化する宇宙市場の中で、Flexell Space社の太陽電池は、従来の高価な宇宙用太陽電池に代わる画期的な製品として評価されています。
企業プロフィール
ハンファジャパン株式会社について
韓国最大手企業の一つであり、Fortune Global 500、TIME誌「世界で最も影響力のある企業100社」に選出された株式会社ハンファの日本法人として1984年に設立。グリーンエネルギー事業、ケミカル事業、セキュリティ事業、プロダクトソリューション事業の4部門を展開し、化学品、鉄鋼、機械・設備、自動車部品、IT関連機器等、多部門にわたる基幹産業のアジア諸国間での輸出入業務と日本市場での販売事業を行っている。2011年より日本の太陽光事業に参入し、2023年12月現在で日本向けの出荷量累計7.5GW、住宅設置数150,000棟を達成した。
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